シンポジウム



演題:【岩手の現状と課題】

シンポジスト

水野和彦さん(岩手県少子高齢対策鑑)
谷本知美さん(コンビチャチャ褐、究員)
馬場 恵さん(盛岡タイムス記者)
石川紀文さん(アクセシブル盛岡代表)

アドバイザー
有北いくこさん(NPO法人ままとんきっず理事長)

コーディネーター
大森紀代美さん(いわて子育てネット連絡協議会代表)




【 シンポジストの紹介 】


水野和彦氏
岩手県少子・高齢化対策監
岩手県出身。日本大学法学部卒業後、岩手県庁へ。
医療局、土木部、商工労働部などを経て、
1995年青少年女性課、工業振興課、医療国保課、秘書課2003年、
保健福祉部保健福祉企画室

■メッセージ■
少子化は歯止めがかからず、7月に成立した次世代育成支援対策推進法においても、男性を含めた働き方の見直しや地域における子育て支援などの考え方を加え、国でもいろいろな対策が練られているところです。子どもから高齢者まで、みんなが暮らしやすいまちとはどんなまちなのか。大変なテーマですね。ユニバーサル・デザインの考えを一人ひとりの心から、地域へ、職場へ、そんなきっかけの一つになればよいと思っています。みんなの力がひとつになって、一歩一歩前に進んでいくことが大切です。


馬場 恵氏

盛岡タイムス記者
岩手県大船渡市出身。新潟大学法学部卒業後、1994年、盛岡タイムスに入社。警察、教育、岩手郡などの取材を担当後、昨年5月から盛岡市政担当。

■メッセージ■
6歳の男の子、もうすぐ2歳になる女の子の子育て中です。母親としても、記者としても、まだまだ半人前。いろいろな人に出会い、助けられ、また、考えさせられることも多い毎日です。子育てと仕事、両方続けられるのは周囲 の協力があってこそ。子育て中の人も、お年寄りも、障害を持っている方も、誰もが自分らしい生き方ができる社会であってほしいと思います。


石川紀文氏
アクセシブル盛岡代表
茨城県金砂郷町出身。淑徳大学社会福祉学部卒業。児童養護施設チルドレンズ・ホーム児童指導員等を経て、現在ホテルメトロポリタン盛岡勤務。盛岡車椅子バスケットボールチームカナダ交流行事実施の後、1993年10月、アクセシブル盛岡を設立し、代表に就任。

■メッセージ■
誰もが快適で豊かに暮らせる街、それがアクセシブル盛岡の願いです。特に、子育てにやさしい社会環境づくりの面では、今までスポットが当たっていなかったように思います。赤ちゃんにも、育児をしているお父さんお母さんにも、やさしい街づくりへの発言を、当事者がどんどんとしていって下さい。それが、全ての人にやさしい街につながるのだと思います。



【 コーディネーター 】

大森紀代美氏

いわて子育てネット連絡協議会代表
岩手県江刺市出身。以後、結婚までを宮城県仙台市で過ごす。現在、パートナー、姑、10才の男の子、8才の女の子、もうすぐ3才になる女の子の3人の子どもと6人暮し。

■メッセージ■
「ひとにやさしいまちづくり」簡単なようでとても難しいな、と実感しています。
日々の生活の中で随分と「慣れてきた」事が多く、問題意識が低下していく事も多々あります。そんな中で、「子育て」を通じて見てきたこと、見えてきたこと、感じていることを声に出してみなさんに伝えていきたいと考えています。実はこれが今の私のライフワーク「いわて子育てネット」での役割のひとつなのです。




CCGの吉田の司会

シンポジストの方々

手話通訳の方々



会場


/イントロダクション
大森さん
今日は「やさしいまちづくり」について話し合いますので、ぜひ皆さんこれからもよろしくという願いを込めて、やさしいまちづくりのために周りの人と握手をお願いします☆
・・・参加の皆さん和やかに握手・・・
ご協力ありがとうございました。


/まちづくりについての取り組み
水野さん
「参考資料:最後ページの盛岡市の広域都市計画図」
この地図は、盛岡市の広域都市計画図です。工業地域、商業地域、住宅地域等、県庁では都市計画課で作っていますが、この基本となるのは、やはり「やさしいまちづくり」。県民の皆さんの意見の積み重ねが、このような形になっていきます。時代の変化に応じて、要望もかわってきますので、この地図を作るときはかなりの見直しを行っています。

「参考資料:『ひとにやさしいまちづくり』推進イメージ」
このイメージ図を見ていただくとわかりますが、やさしいまちづくりには、ひとりひとりの意識、心がけが必要です。ひとりひとりの気持ちが大切です!

「参考資料:県の施策に関する県民意識調査結果」
この調査結果を見ていただくと、満足度としてはきびしい状況にあることがわかります。それでも、2、3年前に比べると毎年満足度が高くなってきていますが、日々の積み重ねを大切に、さらに満足度をあげていくべきです。


/男性トイレにベビーキープを
石川さん
先ほどの講演を聞いて、感じたことがふたつあります。
まず、子育てに対する理解が不足しています。当事者だけが一生懸命で、それもお母さんだけが苦労しています。お父さんが子供とトイレに行く割合が50%。残りの50%は行っていないということで、愕然としました。当事者もそうだし、社会の理解も少ないのが現状です。「周囲の冷たい視線」というのは、まさしくその通りですね。
もう一つは、男子トイレにベビーキープやオムツ換えの台がないという話。私は育児にはもっと男性が加わるべきだと思っています。私も、子ども達が小さい時にもっと触れあっておけば良かったと思います。男性の意識に訴えるためには、男性トイレにベビーキープを付けていくべきですね。男性がトイレでそれを見ることができるように、外堀を埋めることが大切です。社会の風を起こす方が、男性は育児に参加しやすくなるのではないでしょうか。

/大切なのは、声と連携
また、やはり当事者が声を出すことが大切。今まで、子育ての視点からのバリアフリー、ユニバーサルデザインの話は少なく、弱いものでした。例えば、ベビーカーをつれて大通りでデモをすると、インパクトがありますよね。それだけでなく、大通り商店街の人々が子育ての人々用についてのビジネスを考えるはずです。そのようにして、社会に風を起こしていくのと、子育てのグループの人たちが、障害者の団体や高齢者団体と連携していくこと、そこで広がりを作るのが大切だと思います。


/自分の子育て環境
馬場さん
私は、義理の父、母、夫、職場の手をたくさん借りながら仕事を続けてきました。
6才と、2才の子供をどちらも母乳で育て、母乳を凍らせて保育園にお弁当のように持っていって、それを解凍して飲ませていました。職場でも搾乳することができました。
職場では、子育て中のお母さんが多い環境だったので、だいぶ気持ち的には楽でした。

/取材を通して
子育て、シルバー、ユニバーサルデザインへ向けた、行政、市民団体の取り組みが年々増えているのが、取材を通しても実感しています。
先日は、ユニバーサルデザインのトップランナーを岩手に呼び、中学生達が実態を学ぶ取り組みの取材をおこないました。また、行政のバリア発見隊にも同行し、様々なことを学びました。その際、車椅子の方のお話でしたが、盛岡駅は自己責任では車椅子に乗ることができません(危ないということで)。他の駅では、「自己責任で乗って下さい」というところもあります。自己責任で行動できないのは、ある意味バリアなのではないでしょうか。

/子育てと障害
息子の保育園では、障害を持っている子供も一緒にいます。運動会では、先生方が工夫をしています。徒競走で、ゴール近くでみんなが競えるような工夫をしていて、これは、足の悪い子も頑張らないといけない設定で、健康な子供も一緒に競っていくことができる設定です。このように、小さいうちから様々な人たちがいることを学ぶのは大切ですね。
運動会の前日、息子が「足の悪い子には勝つ」というので、私は「あの子はがんばっているんだよ」と言いましたが、実はそれは勝手な話だったんです。息子は、障害のことを考えずに、単純にお友達をライバルとしてみて、勝つぞーと思っているのだということを実感しました。

/ハードの面からのやさしいまちづくりとは
谷本さん
盛岡駅の改築計画。エスカレーター、エレベーターの設置が進み、新幹線の待合室に授乳室ができるのは、良い方向ですね。最近、ターミナルの駅に関しては、交通バリアフリー法の制定もありまして、かなり設備が進んでいます。ただ、地下鉄の駅や自分が住んでいる地元の駅の整備はだいぶ時間がかかるのかなと感じています。
障害者、高齢者、一時的にけがをしている方、妊婦の方、さまざまな方々のための施設が必要で、特に商業施設に関しては、お客様的イメージがあるのでサービスが進みやすいですが、公民館や文化施設等の公共施設は遅れ気味。でも、スピードは遅いと思いますが、後退することはありません。
ただ、整備の内容が本当に使い勝手の良い物かどうかの検証が必要。本当のニーズを把握した状態で、ハード面は、かなり検証しながら整備を進めるのが大切です。

/共同のまちづくりーバリア発見隊についてー
水野さん
使う人の意見を聞いて整備を整えていくことは、やはり大切です。ハード面はお金がかかるので、無駄な浪費をしないために、かなり市民と意見交換をしながら進めています。
「資料6ページ:バリア発見隊」
バリア発見隊をご紹介します。資料のように県内各地でバリアを改善するための発見隊を行動して行っています。洗い出されたバリアは、予算の関係上100%改善とはならないですが、毎年きちんと点検、整備を進めていきたいです。そして、未来には100%とできればと思っています。皆さんの普段使う施設から、重点的に進めていきたいです。

/課題と展望
石川さん
ユニバーサルデザインに関しては、埼玉県、静岡県、熊本県と様々な県が行っていますが、大切なことは、地域の人々が地域ならでは方法で行動をおこさなければならないことです。自分たちで自分たちの必要なことをやっていかなければいけません。
社会環境をかえるためには、気づいた人が声を出していきましょう。歩いて不便だと思ったことは、店舗でも駅でもどこでも声に出して言ってみてください。

また、育児の男性参加について、一番率先して行ってほしいのは、県の職員です。このような所から岩手は変わるのではないかと思います。
これからは、行政が何かやってくれる状況ではないので、自分たちのことは自分たちで考えて行動していくべきです。
子育ては、自分の子育てが終わると関係者ではなくなってしまうので、卒業してしまいがちです。そのようなことではなく、今感じること、今直してほしいところは、率先して店舗でもどこでも声を出していくべきです。店舗でも、言われればわかることがあるので、ぜひ声に出してほしいです。

/地域のまちづくり アドバイス
有北さん
地域の状況というのは、自分たちの活動と共に見えてくるけれど、何を大切にしていくべきか、優先順位を決めていかなければなりません。まず、お互いに伝え合っていくことが大切。高齢者もそうですし、子育て世代もそうですが、お互いに欠けている部分を伝え合って行く事が大切です。子育て世代だけが「理解してくれないよね」とつぶやくのではなく、常にまわりに呼びかけをしていきましょう。そうすると、余裕のある世代や、立場の違う人たちが力を分けてくれるのではないでしょうか。
例)商店街では、賑わいを作るために一時託児を始めました。空き店舗を利用して、美容院や病院、買物をするために1時間は無料で預かってくれるシステムです。そこに行けば母親はゆっくり美容院に行けますね。
親子が何を不便に感じているのか、商店街には何が足りないのかをお互いに補填し合いながら新しい取り組みを行っています。
行政はお金がないというのは、これはどこへ行っても同じです。自分はこの地域に住んで、いったい何ができるのか、を考えていかなければならないと思います。

大森さん
当事者だから声を上げづらいということもあるかと思います。例えば子供がいない谷本さんが子供の事を考えてくださる事がうれしく思っています。

谷本さん
自分には子供はいないので、その状況にどっぷりつからずに一歩引いて客観的に見ることが出来すので、仕事の面でいうと代弁者の感覚で話を進めています。お母さん方の話を感情的にならずに仕事というフィルターを通して客観的に声を上げています。
当事者だから声をあげづらい、という話がありましたが、コンビチャチャHPに「○○駅にエレベーターをつけてほしい」等の要望が入ってきます。なぜ直接その駅等に話をしないのかと思いますが、逆に、いつも利用している場所なので言いづらいこともあります。だからHPに書き込んでしまうのではないでしょうか。声を上げて行きやすい環境づくりは大切ですね。そして、やはり声はあげていかなければいけません。

大森さん
やはり小さい時から同じ地域に密着していると、顔が見えすぎているがために言えない現実があります。私はそういう人の代弁者になりたいと思っています。石川さんは代弁者として、当事者には言えないことを伝える場作りに身をくだいてきたと思いますが、その辺のお話をお願いします。

石川さん
例えば、自分が不便なことを感じる時は、他の人も不便に感じているはずで、それを伝えて行かなければならないと思っています。私は県庁には週に2、3日通っていますが、県庁では、ベビーカーを見かけません。理解は出会いから始まります。日本の戦後学習は分離と隔離の世界でした。障害児は別の学校。普通の子供は普通学校へ行ってしまいます。やはり出会いがないと、一緒に遊ぼうと思っても理解が進みません。出会いがないとお互いにとまどうだけになってしまいます。まず、出会いを作る事が大人の役割だと思っています。
もうひとつ。中学校での総合学習で、生徒達が最近どんどん外に出てきています。私は総合学習で育児体験をしてみては良いのではと思います。中学生達が命の大切さを学ぶにはもってこいだと思います。

有北さん
総合学習の中で、小中学生が保育園に行くことや、また逆に、学校に赤ちゃん、妊婦さん、乳幼児サークルが行くというという展開も出てきています。少子化で空き教室が出てきているので、そこを解放して乳幼児サロンを作りつつあります。休み時間になると、小学生、中学生がのぞきにきて、中学生くらいになると、茶髪の子がいたりして、そんな子が赤ちゃんをだっこすると表情が和らいでいます。岩手県でも実行してみてはいかがでしょうか。

水野さん
これらの話は、ユニバーサルデザインも含めて、是非体験学習として取り入れていきたい。とくに、最近の子ども達の「育ち」を考えると多様な体験学習、日常の中のやさしさを体験させていきたいです。ただ、やはり金額的に厳しいので、多くの方の協力が必要です。

大森さん
県民総参加であれば、それも可能であると思います。
みんなが子育てにかかわるという観点でお話をお願いします

馬場さん
仕事の帰りが遅いので、義理の母が保育園のお迎えをしています。母の都合が悪いときは、近所に住んでいる母の妹が、夫の弟が手を差し伸べてくれると、とても恵まれています。この恵まれた環境がない方のために、子育ての支援センター、ファミリーサポートセンターが出来てきていますが、それを知らずに一人で悩んでいるお母さん方も多いのではないかと思います。

大森さん
私たちも子育てネットということで、活動をしているのですが、そこに参加してくるお母さん達は大丈夫なんですね。やはり、そこに参加できないお母さん方には、行政から手を差し伸べ、また私たちも関わって行こうと提案を進めています。


/会場より質問・ご意見
西根町の三浦さん
保育所に勤めています。育児体験ということで、岩手県でも総合学習で育児体験を進めている学校が増えています。盛岡の中学校から私たちの保育園へバスで来て、午前中いっぱい実地研修をしたりもしました。この取り組みは、かなり進んでいると思います。男の子も女の子も「子供がかわいい」と言ってくださるのはとてもうれしいです。特に高校生は、すぐにママになる方もいるので、高校生にとってはとても大切なのだと思います。

花泉町の松尾さん
有北さんへの質問です。育児サークルに出て来れないお母さん方の掘り起こし方法と、スーパー、デパートだけでなく個人商店を情報収集に活用する大切さについて、教えてください。
有北さん
来ることができない人の掘り起こしは、とても難しいです。私たちは電話相談、メール相談を行ったり、子育て相談サロンを週に2、3回行っています。私たちのサロンには、大きな集まりには出て来れない人がひっそりと来たりしています。それには、助産院のとなりに私たちのサロンが有る、という立地条件も加味していると思います。そして、サロンの内容も「ひなたぼっこ」をしたり、子供を遊ばせたり、と、みんなで仲間を作って何かを企画しようというものではなく、ゆったりとしているので集まりやすいのではないかと思います。
商店街を活用する点については、今のお母さん方は自分の子育てについて評価されるのを恐れています。小さい時から評価されているので、個人同士のつながりを作るのが苦手なんですね。商店街を活用することは本当に大切な事です。

大森さん
ひきこもりのお母さん達を引っ張りだすのは、今一番の大きな課題ですね。また、商店街の機能が少なくなって来ているので、商店街に変わる場作りも本当に大切になってきています。今日の冊子の中に「こんなことできるとよいね」というコーナーがありますが、その中の項目で「場」が欲しいという要望があります。やはり、「場」が減って来ているということを感じています。

盛岡市の馬場さん
育児サークルキラキラを主催しています。サークルのメンバーを集めるにあたって、外に出てこないお母さんを集めるために私たちはスーパーにチラシを張っています。子供をどうしたい、ではなくて、お母さん自身が話を聞いてほしいという要望が多い。初めて来たお母さんの中には泣き出してしまう人もいます。知り合いもいないくて、夫も仕事でいそがしくて、子供と二人で何十時間も。。。という話をされていましたが、最後は晴れ晴れとして帰って行きます。話を聞いていたお母さんの一人が、「私たち夫婦は二人で育児をしようと決めました。でも主人は仕事があるので、昼間は私が育児担当。家事はできません。夜夫が帰って来たら夫が育児をして、こんどは私が家事をしています」と話をすると、とてもすっきりとした顔になって帰って行きました。
中学生の育児体験については、岩手でも行われていることを知ってうれしかったです。短期大学でも同様のことを行えるようになると、幼児教育をならっている学生さん達にも参加していただいて子供を学生さん達に見てもらっている間に、お母さん達は併設している食物栄養科で栄養学の勉強ができる、ということも可能かなと思いました。

盛岡市役所建設部の菅原さん
家庭では3児の父親です。家に帰ると妻はぐったりしているので、できるだけ早く帰って来てほしいというのがここ何年かの要望ですが、なかなか実現できていません。
行政面での話では、不足しているところが多々有りますが、ユニバーサルデザインを進めて行こうと職場では話をしています。ただ、それを即実現できないところにジレンマを感じでいます。
子育てについて社会の中の意識を変えていくということについては、中学生の例を揚げておりましたが、様々な活動をしている方がいるんだとその活動に敬意を表したいと思います。少子高齢化は社会全体を見ていくと、ある世代が少ないという事で社会全体にとって大きなひずみになってきます。それを考えたとき、今物事の重要なことを決めていく団塊の世代以降の方々が、近い将来社会に面倒を見てもらう立場になるのですが、その世代が子育てから遠い世界にいるのが現状です。その団塊以降の世代の方々に子育てに目を向けてもらうための手だてを石川さんにお聞きしたいと思います。

石川さん
私は団塊の世代です。今、下の子が中学2年、上は二十歳を過ぎていますが、子育てはいつまでも続くものだということを実感しています。子供はいつまでたっても子供ですよね。今問題になっているのは小学生以下の子供達の親の意識をどう変えるかということですよね。男は仕事が忙しいからという理由で逃げている、言い訳をして逃げていることが多いです。子供と一緒の時間を過ごすのは、とても大切な時間だということを実感しています。妻に、食事の時間は一緒に、とよく言われます。なるべく子供一人だけで食べないように、家族の時間を大切にする時代の流れを作ることが大切です。
地域のことを何もしない人は、育児にも熱心じゃないだろうし、子供は地域で24時間を過ごしているので、その地域を大切にすることが大切。また、遅くまで仕事をさせている職場環境から変えていかないといけません。県庁では毎週水曜日、ノー残業デーがありますよね。そのような家庭を大切にする職場環境を作り、家庭を大切にする企業人がよい企業人であるという社会環境をつくる事が大切です。

大森さん
女性も男性も子供が生まれたという事で、昇級がストップすることがあるので大変だと思います。私は子供を育てる事もキャリアの一つとしてみていただきたいと思うくらいです。
2025年には、今まで4人で1人の高齢者を支えていたのが、1.5人で一人の高齢者を支えていくことになります。私は子供が3人いるので2人は持って行かれるのかと思いましたが、それでも子育てはやめる事ができません。

石川さん
スーパーマーケットのレジ係は子供がいるお母さんが働いていますよね。また、ターゲットもお母さんです。そういう意味では、スーパーマーケットは味方につけると、子育て支援に熱心に取り組んでくれるのではないかと思います。
盛岡市の現在の市長さんは、子だくさんなので、まず奥さんを味方にすると市長も変わるのではないかと思います。

岩手大学長坂さん
猫の手プロジェクトの代表をしています。その中で道路を調査していますが、子育ての視点の意見を聞きたくて参加しました。道路の段差とか、階段の移動とか、たくさんのことで困っている内容を聞けたのはとても貴重な意見でした。
大学生とお母さんとの交流、ということですが、農学部の前の植物園ではお母さんと子供達が散歩をしていたりするので、大学の場も活用されていると感じますが、そこに学生が入って行く事はないので、声かけや交流が必要だと感じました。自分もいずれおかあさんになる事を考えたときに、もし岩手で結婚したしたとしたら、出身がちがうので頼れる人は誰かを考えたときに、NPOや地域のお母さんたちに助けてもらえたらうれしいですので、「場」というのはとても大切だと感じました。

大森さん
結婚して子供を産む事を考えていてくれて、とてもうれしく思いました。

盛岡市の馬場さん
盛岡駅に授乳室ができるのを聞いて、うれしく思います。以前は洋式トイレに座っておっぱいを飲ませたり、人前でおっぱいをのませることができる洋服のカタログを集めたりと、今思えばかなり後ろ向きな行動をとっていました。様々な要望がある際、子育て中の1個人のお母さんは、どこにまず言えば良いのでしょうか。

石川さん
JRグループとしてお応えします。駅長さんに手紙を書く等いろいろ方法がありますが、インパクトがあるのは、岩手日報の声の欄です。JRの盛岡支所にも専門のサービス部門があるので、とにかく声を出していってください。授乳室はJRにも今度できますし、現在はフェザンの2階にもありますので、どうぞご利用ください。

盛岡市役所建設部の菅原さん
地域の声をあげる場としては、手っ取り早い方法としてはホームページの各課にメールをくださる事です。

水野さん
県の方でも垣根はありませんので、行き先を考え過ぎないで相談にきていいただければと思います。

石川さん
相談をしてもすぐには実現できません。特に行政は時間がかかります。ですので、会う人会う人にたくさんお話しをしていくと、それが世論になります。世論は自分で作っていきます。私はよく議会に行って、出会う議員さんみんなにお話をしています。また、県庁でもいつも話をしています。そうするといつの間にか達成しますよ。

水野さん
様々な都合でできないこともありますので、ご了承いただきたく思います。

石川さん
できない時は、できるように世の中を動かします。そのためにネットワークは大切です。いろいろな人と仲良くしていると、声が広がって自分の夢が伝わっていきます。

経営コンサルタントの宮さん
商店街問題とか、歴史と観光に関心を持っております。盛岡市の第3次総合計画が平成16年度に終わって、市では次の計画を行う際に色々な意見を聞きたいとアンケート調査を行ったり、いろいろな立場の人から話を聞く機会を持っているようです。そこに参加した人たちの話を聞くと、どうせ意見を聞くのはポーズだ、実際のところ行政は自分たちが専門家だと思っている方が多いので、意見を言う事に無力感を感じている人が多々います。私は、全部の意見を取り入れるのは不可能だと思いますが、「意見を種々の事情で先送りにする、取り入れられない」等、意見を言った人に対して、なんらかのフィードバックが必要だと思います。
また、多くの人たちがまちづくりに対する意見をお持ちである事が今日わかりました。大学生の学生グループが盛岡の街について関心を持ち、ワークショップ等で地域の人々と関わりをもって成果を発表したり、というのも最近の傾向です。転勤族の奥様方がこの機会に盛岡の街について勉強をする等、いろんな立場の方がそれぞれの立場で関心を持っています。そのいろいろな立場の人が一同に会して、夢を語り合う機会があると良いと思いました。それから、商店街の活性化のためには、人を呼び込むことが必要。そのためには学生、社会人みんなが集える街にすることが必要だと感じました。

/最後に
有北さん
私たちは子育て祭りを行いましたが、その準備段階として地域の子育て支援者の交流会を6年間に渡り行っています。2月に1回定例会を行い、その中で助け合える事をお互いに行って来ました。6年目を機に、この会のPRもかねてということで、会をベースに祭りを開催しました。また、別のネットワークにも声をかけて、個人も含めて60団体近い団体が企画、当日のボランティア、チラシ配布等に関わった結果、2000人近い親子が当日会場に集まったのですが、地域の方々はこんなに子供達がいるのかとびっくりしていました。やはり、出てこないとわからない部分は多いと思います。そして、出て来た事によって新たな結び付きができて、おもしろいことをやろうよ!ということになっています。この結びつきができたのも、「知らせる」ということがポイントになっているので、私たちはそれを更に続けていきたいと思っています。
最後に、障害者について。ある障害者が「自分は障害じゃない。まわりが障害なんだ」と言っていました。すごいですね。この言葉の通り、やはり自分を中心にして「まわりが障害なんだ。街が障害なんだ」という意識を持つ事が大切だと思います。

水野さん
数年前に世界数カ国から人々が集まる青少年のイベントに参加しました。そのときに感じたのが、皆その気になってひとつの目標をもって集まると、最後には大きなことを成し遂げられるという事です。ですので、一つ一つ活動をしている方々が一致協力して、県、市だけではなく皆が横並びで協力体制を取る事がまちづくりの成果につながるのだと思います。
また、まちづくりについては行政が決めることではなく、みんなが描くものとして考えてもらいたいところです。県、市が規制するものではないということです。みなさんにも、もっとまちづくりを意識してもらいたいです。
子育ては、とても大変な経験です。私も共稼ぎでいろいろ苦労しました。当時とくらべると子育て環境も良くなって来ていますが、そこで止まるのではなく、良い形で少しでも進むことが少子化対策につながると思います。
みなさんからの要望等は、フィードバックを心得ていく所存です。また、これからは長寿社会、少子化問題もだいぶ難しい時代に入って行きますが、男性の働き方の見直しは一番需要なことです。国の方でもさまざまなことをやり始めますので、行政を含めて企業にもどんどんと参加していただいて施策を押し進めて行ければと思います。

谷本さん
皆が力を合わせて、ということで、企業のできること、行政のできること、地域のできることを、それぞれ独自に行うのではなく、ノウハウを共有して行って行く事が大切だと思います。
働き方については、コンビでは今年から男性社員に子供が生まれたら半年以内に5日間連続で育児休暇を取らなくてはならないという制度を導入しました。やり方はそれぞれの企業に合わせて考えて行けば良いですが、「働き方」という面ではこれからどんどんと企業にとって見直して行かなくてはならない時代にはいると思います。自分が子供をこれから産んで育てるときに、さらに良い時代になっていると良いと思いますが、今の企業としての関わりと同時にNPO等の活動団体とも協力してさらに良い子育て環境を作っていきたいと思います。

馬場さん
私自身、子育て真っ最中ということで皆さんのお話がとても参考になりました。保育園の先生をはじめ、家族に助けられて自分がここまできているので皆さんに感謝したい気持ちです。
水沢市だと思いますが、商店街の真ん中にご老人のデイケアや高齢者が集まる施設を作った例があります。その施設はわざと一般住宅のように段差があるそうです。ただ、こういう補助金を使うとバリアフリーになるよという説明もその場でおこないますし、街の真ん中にあるので人が集まりやすい環境にあるそうです。
子育てでは、冬の遊び場がない話をよく耳にしますが、どこに行くかというとスーパーやショッピングセンターにある子供の遊び場に行くことがおおくなるのですが、子供が安心して遊べる場所が商店街にあると、そこに人が集まりますし、子育て経験者がボランティアで集まるとか、子育てに関する商品が増える等、商店街の方達にとってのヒントがでてくるのではないかと思います。そのようなことができる商店街になってほしいというのが今の私の希望です。
様々な委員会を取材しておりまして、女性や障害者の代表の方がめずらしくなくなってきていますが、まだ「女性」「障害者」という目で見られています。そうではなくて、団体の代表の方がたまたま障害者だったとか、子育て中のお母さんだったということがおこってくると思います。そのような社会になると、皆が自分らしい生き方ができる時代になるのではないかと思いました。

石川さん
多くの人が関わりながら、その割には市民権を得ていないのが子育て関係だと思います。そのためにも、まずは当事者がどんどん情報を発信していただきたい。情報を発信しないと、興味をしめしてくださる人は少ないと思います。私も10年前にアクセシブル盛岡を作る際に、いかに市民に浸透させていくかを考えました。そして、酒飲み会を行いました。また、マスコミ(テレビ/新聞)に頻繁に出て行くんですね。そうやって、市民権を得ていったんですね。目立つと引っ張られる、とよく言いますけれど、目立たないとどこにいるのかわからないのが社会です。次の世代のお母さん方が苦労しなくても良い社会を作っていくためにも、今のお母さん方にはどんどんと発言していってもらいたいです。


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